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孤独死とは?
孤独死とは主に一人暮らしの人が誰にも看取られること無く、住居内で生活中の突発的な疾病などによって死亡することを指し、特に重篤化しても助けを呼べずに亡くなっている状況を表します。
内閣府の調査によれば、65歳以上の一人暮らし高齢者世帯が平成27(2015)年には男性約192万世帯、女性約400万世帯、2025年の予測では男性約230万世帯、女性約470万世帯と増加傾向にあります。<内閣府ホームページ>
2015年で4人に1人が65歳以上の高齢者、2035年には3人に1人が65歳以上の高齢者になる予測が出ています。
このような超高齢化社会の中で問題となってくるのが孤独死です。
特に家族や親類が近くに住んでいない一人暮らしの高齢者は、常に孤独死してしまう危険性が付きまといます。
今回はこの孤独死に着目し、孤独死についての問題や、孤独死の防止策などについてコラムを書いていきたいと思います。
●孤独死とは?
●孤独死の可能性がある人とは
●孤独死の防止策
●特殊清掃業者は孤独死対応の専門家
●「孤独死とは」まとめ
孤独死とは先ほども書きましたが、高齢化社会が加速している日本における社会問題です。
孤独+死=孤独死。特に一人暮らしをされている方が誰もいない場所で「孤独」に「死んでしまう」ことを指す言葉です。
日本の行政機関は孤独死という社会問題において「孤立死」という表現をしばしば使っており、これは社会的に孤立してしまった結果、住居内で死亡して死後しばらく周囲の社会に気付かれず放置されていた状況を指してのものであるからと言えます。
孤独死、孤立死は呼称こそ違いますが、同じ状況の言葉だと思っていいでしょう。
孤独死は様々な要因や問題が絡み合った結果として起こってしまいます、それでは。どうして孤独死をしてしまうのかについて書いていこうと思います。
孤独死について考える上で重要になってくるのが、孤独死の原因です。
孤独死に多い原因は心筋梗塞(循環器障害)や脳溢血(脳疾患)などの急性の疾病発作が直接の原因に挙げられますが、肺炎により日常生活が困難になって餓死による孤独死や、肝硬変で意識不明に陥りそのまま孤独死してしまうケースも見られます。
また家の中で転倒して骨折して助けを呼べずに孤独死するケースもあり、高齢者が多いながらも体力のある青年層や中年層でも、また生活病罹患者に限らず高齢者以外が何等かの原因で助けが呼べずに衰弱して孤独死するケースも見られます。
特に近年の日本では慢性的な不景気から生活に困窮し(生活保護者など)、疾病から動けなくなってそのまま孤独死に至るという事態の発生も懸念されます。
孤独死についてより深く知るため、孤独死関連の統計データもご紹介します。
基本的に孤独死に関する公式な統計データというのは見つけることが困難です。
というのは、孤独死は法的に定義された言葉ではなく、変死という形で集計されます、ですので警視庁の死因統計上にも孤独死という項目はありません。
そこで、孤独死の増加傾向を掴むために厚労省が発行している「人口動態統計」の死因統計から「立会者のいない死亡」というものを参考にして、孤独死数の推移をみていこうと思います。
上記グラフは、1999年~2014年までの死因「立会者のいない死亡」の件数を、男女別にまとめたグラフです。
これを見ると、孤独死の数は2000年代前半まではおおむね1,000件前後で推移をしていましたが、その後は年々増加していき、2010年にはピークの約2500件もの孤独死件数があったことが分かります。
2011年以降の孤独死件数も、多少の増減はするものの孤独死の件数は2,000件を大きく上回っている状況です。
孤独死の男女の比率は、2000年以降では概ね男8:女2で男性の孤独死が圧倒的に多いことも分かるかと思います。
これは男性は女性に比べてコミニケーション力が低く、引きこもりやすいからだと推測されます。
孤独死には起こりやすい環境や要因があることが分かってきています。
ここでは孤独死をしてしまう可能性がある人の、大きな原因を ご紹介していきたいと思います。
孤独死をしてしまう方で圧倒的に多い原因が、一人暮らしをされている方です。
一人暮らしのの孤独な環境で急病や転倒による事故が起こると、助けも呼べず急死してしまうケースから孤独死に至ってしまいます。
このケースは遺体の発見も遅くなり、腐敗臭などによって近隣住民が通報し孤独死しているのが見つかることが多いです。
一人暮らしの孤独死は老人に限らず青年や中年層でも起こりうるので、やはり一人暮らしは孤独死の最大の原因と言えるでしょう。
高齢者の方は孤独死の可能性が高いです、持病を持っていたり、突然の心筋梗塞(循環器障害)や脳溢血(脳疾患)で急死してしまうケースが考えられます。
また体力や視力の低下によって転倒し、急性硬膜下血腫などで孤独死してしまうケースもよく見られます。
お風呂場での孤独死も非常に多いです、ヒートショックによる脳梗塞や心筋梗塞、また不整脈などがお風呂場で起こってしまうと、転倒して頭を打つ危険性や、浴槽内での溺死も孤独死の要因になっています。
生活習慣病や慢性的な疾患を抱えている方も孤独死してしまうリスクが高いです。
ご高齢の方は、高血圧や心臓疾患などの持病を抱えている方が多いことは分かりますが、青年層や中年層でも不健康な方は孤独死のリスクがあります。
フリーターや派遣アルバイトで生計を立てている若者は、経済的に苦しい生活を送っています。
十分な食事をとれなかったり、カップラーメンばかりの食事で栄養が偏ると、栄養失調になり孤独死に繋がってしまうこともあります。
また、働き盛りの中年世代では、長時間の残業からくる過労死、また40代になってくると高血圧や糖尿病などの生活習慣病が発症しやすくなってくる年代でもあり、孤独死に繋がるリスクが出てきます。
日頃から不健康な生活をしている方は、孤独死してしまう可能性が高いと言えるでしょう。
孤独で人付き合いが少ない方は、孤独死をして発見も送れるケースが多くあります。
特にお仕事をリタイヤされた高齢者の方で人付き合いが少ない方が、病気になったり不慮の事故に合うと、誰も気づかずに孤独死してしまいます。
老人クラブや、趣味の習い事など積極的に誰かとコミュニケーションを取っていると、何か異変が起きても気づいてもらえて孤独死せずに助かることも多いです。
この「人付き合いが少ない方」は男性に多く見られ、孤独死の男女比は8:2というデータからもよく分かります。
孤独死の確率が低い女性はコミュニケーション能力が高く、近所でも井戸端会議をしているのは女性ばかりだということからも伺えます。
親類がいると挨拶やお話、誕生日などのイベントなどで連絡が取りあえるので、孤独死せずに済むこともあります。
親類がいない天涯孤独な方は、孤独死の可能性が高くなるということになります。
親類がいても近くに住んでいなかったり、疎遠になっていたりすれば、それは親類がいないのと同じ状況なので孤独死のリスクは上昇します。
昔は親が隠居すると子供が面倒を見る、というのが当たり前でしたので孤独死するということは少なかったのですが、昨今の核家族化により親と子供が別々に暮らすことが多くなったため、孤独死の件数も増えてきています。
孤独死の可能性を持つ“パラサイト・シングル”とは「学校を卒業後も親と同居し、経済面や家事などの日常生活を親に全て依存している未婚者」のことを言います。
かつては10代や20代の若者を指す言葉でしたが、問題が提起された頃から年月が過ぎるに従って、中心層は30代から40代の中年層へと移りつつあります。
いわゆる「ニート」もパラサイト・シングルに含まれますが、年齢層が上昇する昨今では「高齢ニート」という言葉も出来てきました。
パラサイト・シングルは、「同居する親が亡くなった後、社会的に孤立し孤独死の可能性が高い」と専門家から厳しい指摘がされています。
総務省統計局の公表した統計データによると、“パラサイト・シングル”の人口は2003年には191万人で、33歳から44歳の全人口の約12パーセントでした。
しかし、2007年になると262万人で約15パーセント、2012年には305万人で約16パーセントと、その数も、割合も増加の一途を辿り、それに伴い孤独死の件数も増加しています。
ここでは、この孤独死という社会問題を防止する策はないのか?ということについて書いていこうと思います。
孤独死の主な要因は、一人暮らしなどで社会から孤立してしまった方に起こります、ですので孤独死を防止するには、社会との繋がりを持つことがとても重要になってきます。
それでは、具体的に孤独死を防止するための方法をいくつかご紹介いたします。
趣味のサークルや習い事を通じ、孤立せず社会と繋がってみるのもいいと思います。
高齢者向けのサークルや老人クラブというものは、どこの地域にも存在します。
そこで知り合った方と、お食事をしたりカラオケ、買い物、観光旅行などを楽しむのもおすすめです。
習い事もパソコンを覚えてみたり、楽器を演奏してみたりすると、生活にハリが出て新しい発見が生まれるかもしれません。
また、経済的な問題で高校などに進学できなかった方が、定時制学校などに通い、履修する高齢者の方もいらっしゃいます。
他には、地域のボランティア活動を通じ、社会との繋がりはもとより、社会貢献されている高齢者の方も沢山います。
このように様々なコミュニティに参加することによって、社会との繋がりができ、孤独死は防ぐことができます。
昨今の高齢化問題から、孤独死を防止するようなサービスがどんどん生まれてきています。
特定施設入所者生活介護(有料老人ホームなど)や訪問介護サービス(ホームヘルプサービス)の歴史は古くから孤独死防止に知られています。
20年ほど前からは、デイサービスやデイケアといった通所介護サービスが発展してきて、孤独死防止に定着しています。
近年では、訪問見回りサービスや、電話での安否コールサービス、人感センサー、防犯カメラ、GPS機能を使った安否確認なども普及しております。
また、宅配や買い物代行、家事手伝いサービスを通じて孤独死を防止するサービスも普及しているので、利用してみるのも孤独死防止に有効な手段だと思います。
ご家族やご親類がいらっしゃる方は、普段からこまめに連絡を取るようにしましょう。
ご高齢者さんは気を遣って連絡を控えてしまいがちですので、年齢の若い方から連絡を取ってあげるとよいと思います。
毎日の連絡は難しいかと思いますが、数日に一回、週に一回など、定期的な連絡を心がけるだけでも孤独死の確率は下がってくるでしょう。
近年ではスマートフォンの安否確認アプリなども開発されているので、これを機会に利用してみるのも孤独死防止に繋がっていくと思います。
悲しいことに孤独死はいくら防止策を講じても、起きるときは起こってしまいます。
高齢者だけでなく体力のある中年層や青年層でも、一人暮らしをしている以上は誰にでも孤独死のリスクは付きまといます。
孤独死を発見した場合、また身内や、住居人の孤独死の知らせを受けた場合は、どのように対応するべきか。
孤独死が起こってしまった時の対応の手順などをご説明していきます。
意外なことに、ご家族や親類が孤独死を発見するケースは少ないです。
これの理由として孤独死は、ご家族や親類と疎遠な方によく起きてしまうことがあるからです。
また、孤独死は一人暮らしの賃貸住宅に住んでいる方に起こりやすいことから、大家さんや不動産管理会社の方が発見者になることが多くあります。
他には、孤独死から時間が経過し腐敗臭(死臭)によって異変に気付き、郵便物を届けに来た宅配業者や、近隣の住民が警察に通報、あるいは大家さんなどに連絡し、発見されるケースも多いようです。
ご家族や親類、近隣住民などが孤独死を発見した場合には、いずれも大家さん、もしくは不動産会社が対応することが多いようです。
ご家族の立ち合いの元で退去手続きや清掃費の負担、場合によれば原状回復リフォーム工事などの手続きが進んでいきます。
清掃費や原状回復リフォーム費用は、賃貸契約の内容によって、相続人か大家さんの負担になるかは変わってきます。
相続人負担の場合でもご遺族が相続放棄をされた場合は、大家さんや不動産管理会社の負担となり孤独死に対応することとなります。
ここでは、孤独死を発見した場合の手順を見ていきましょう。
手順をあらかじめ知っておくことで、突然の不幸が起こっても慌てずに対応することができると思います。
一般的な手順なので、場合によっては前後したり、必要のない項目などもございます。
孤独死を発見した場合には、まず警察に通報します。警察は殺人などの事件性があるかどうか判断するために現場検証を行い、遺体の搬送をします。
場合によって検死やDNA鑑定が行われ、部屋の中にあった情報からご遺族に連絡が届きます。
ご家族や親類がいない場合は、全く面識のない遠い親類に連絡が入ることもあります。
葬儀を執り行う手続きをします。ご家族や親類が対応できる場合は葬儀社に依頼します。対応する方が存在しない場合は各自治体が対応することとなります。
故人が残した遺品の片付けをします、ご遺族様で片付けられるか、片付け業者、遺品整理業者などに依頼することもできますが、費用が発生します。
長時間経過した孤独死の場合は、ご遺体から出た体液・血液などの汚れや、腐敗臭などが染み付いているため「特殊清掃業者」に依頼することが必要になります。
発見が遅れた孤独死の場合や、故人の過失によってできたキズや汚れがひどい場合には、賃貸前の状態に戻す義務があるため、壁紙の張り替えや床の修繕などの「原状回復リフォーム」が必要になります。
保険や公共料金の解約、預金の引き下ろしなどたくさんの手続きをする必要が出てきます。
面倒で複雑な手続きが必要になってきますが、孤独死に限らずとも誰かがお亡くなりになれば、必ずしなくてはいけない作業です。
先ほども書きましたが、長時間経過した孤独死の場合は、ご遺体から出た体液・血液などの汚れや、腐敗臭などがお部屋全体に染み付いています。
目を覆いたくなるようなグロテスクな現場であり、鼻を刺す強烈な異臭、感染症の恐れもあるため、一般的なハウスクリーニング業者では対応できないため特殊清掃業者が存在します。
特殊清掃業者は、特殊な薬品や専用の脱臭器などを用いて孤独死現場を清掃し、原状回復させます。
特殊清掃の費用は、故人の亡くなり方や、部屋の広さ、遺品の物量など現場の状況によって、数万円~数十万円とかなりの幅が出てきます。
孤独死はその性質上、発見が遅くなるケースが非常に多いため、特殊清掃業者に依頼するが多いと言えるでしょう。
特殊清掃は現場の状態や故人がどこで亡くなったのかということでも対処の方法が変わってきます。
経験の浅い特殊清掃業者では対処しきれない場合や、中途半端な作業で完了されたりすることもあるので、豊富な経験と実績がある特殊清掃業者を選ぶようにしましょう。
あるいは見積もり時や電話で直接聞くのもいいと思います。答えられないような業者は避けたほうが賢明です。
孤独死とは総じて、社会との接点が無く孤立している方によく起こってしまいます。
現在では高齢者だけではなく、青年や中年層でも孤独死は問題視されています。
インターネットの普及で、引きこもりがちになってしまうのも孤独死してしまう一つの原因かと思います。
しかし人間は、昔から群れを作って生活を営んできた生き物です。
どんなに小さな接点でも良いと思いますので、勇気を出し地域のコミュニティなどへ参加をするような努力をしてみて下さい。
また、社会との接点が薄くなっている方を見つけたら、やさしく話しかけてあげて下さい。
そうすれば、一人一人が社会と繋がっていき、孤独死という社会問題も少なくなっていくことだろうと思います。
特殊清掃・遺品整理・生前整理アスエル
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24/11/22
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孤独死とは?
孤独死とは主に一人暮らしの人が誰にも看取られること無く、住居内で生活中の突発的な疾病などによって死亡することを指し、特に重篤化しても助けを呼べずに亡くなっている状況を表します。
内閣府の調査によれば、65歳以上の一人暮らし高齢者世帯が平成27(2015)年には男性約192万世帯、女性約400万世帯、2025年の予測では男性約230万世帯、女性約470万世帯と増加傾向にあります。<内閣府ホームページ>
2015年で4人に1人が65歳以上の高齢者、2035年には3人に1人が65歳以上の高齢者になる予測が出ています。
このような超高齢化社会の中で問題となってくるのが孤独死です。
特に家族や親類が近くに住んでいない一人暮らしの高齢者は、常に孤独死してしまう危険性が付きまといます。
今回はこの孤独死に着目し、孤独死についての問題や、孤独死の防止策などについてコラムを書いていきたいと思います。
目次
●孤独死とは?
●孤独死の可能性がある人とは
●孤独死の防止策
●特殊清掃業者は孤独死対応の専門家
●「孤独死とは」まとめ
孤独死とは?
孤独死とは先ほども書きましたが、高齢化社会が加速している日本における社会問題です。
孤独+死=孤独死。特に一人暮らしをされている方が誰もいない場所で「孤独」に「死んでしまう」ことを指す言葉です。
日本の行政機関は孤独死という社会問題において「孤立死」という表現をしばしば使っており、これは社会的に孤立してしまった結果、住居内で死亡して死後しばらく周囲の社会に気付かれず放置されていた状況を指してのものであるからと言えます。
孤独死、孤立死は呼称こそ違いますが、同じ状況の言葉だと思っていいでしょう。
孤独死は様々な要因や問題が絡み合った結果として起こってしまいます、それでは。どうして孤独死をしてしまうのかについて書いていこうと思います。
孤独死について考える上で重要になってくるのが、孤独死の原因です。
孤独死に多い原因は心筋梗塞(循環器障害)や脳溢血(脳疾患)などの急性の疾病発作が直接の原因に挙げられますが、肺炎により日常生活が困難になって餓死による孤独死や、肝硬変で意識不明に陥りそのまま孤独死してしまうケースも見られます。
また家の中で転倒して骨折して助けを呼べずに孤独死するケースもあり、高齢者が多いながらも体力のある青年層や中年層でも、また生活病罹患者に限らず高齢者以外が何等かの原因で助けが呼べずに衰弱して孤独死するケースも見られます。
特に近年の日本では慢性的な不景気から生活に困窮し(生活保護者など)、疾病から動けなくなってそのまま孤独死に至るという事態の発生も懸念されます。
孤独死関連の統計データ
孤独死についてより深く知るため、孤独死関連の統計データもご紹介します。
基本的に孤独死に関する公式な統計データというのは見つけることが困難です。
というのは、孤独死は法的に定義された言葉ではなく、変死という形で集計されます、ですので警視庁の死因統計上にも孤独死という項目はありません。
そこで、孤独死の増加傾向を掴むために厚労省が発行している「人口動態統計」の死因統計から「立会者のいない死亡」というものを参考にして、孤独死数の推移をみていこうと思います。
上記グラフは、1999年~2014年までの死因「立会者のいない死亡」の件数を、男女別にまとめたグラフです。
これを見ると、孤独死の数は2000年代前半まではおおむね1,000件前後で推移をしていましたが、その後は年々増加していき、2010年にはピークの約2500件もの孤独死件数があったことが分かります。
2011年以降の孤独死件数も、多少の増減はするものの孤独死の件数は2,000件を大きく上回っている状況です。
孤独死の男女の比率は、2000年以降では概ね男8:女2で男性の孤独死が圧倒的に多いことも分かるかと思います。
これは男性は女性に比べてコミニケーション力が低く、引きこもりやすいからだと推測されます。
孤独死の可能性がある人とは
孤独死には起こりやすい環境や要因があることが分かってきています。
ここでは孤独死をしてしまう可能性がある人の、大きな原因を ご紹介していきたいと思います。
一人暮らし
孤独死をしてしまう方で圧倒的に多い原因が、一人暮らしをされている方です。
一人暮らしのの孤独な環境で急病や転倒による事故が起こると、助けも呼べず急死してしまうケースから孤独死に至ってしまいます。
このケースは遺体の発見も遅くなり、腐敗臭などによって近隣住民が通報し孤独死しているのが見つかることが多いです。
一人暮らしの孤独死は老人に限らず青年や中年層でも起こりうるので、やはり一人暮らしは孤独死の最大の原因と言えるでしょう。
高齢者の方
高齢者の方は孤独死の可能性が高いです、持病を持っていたり、突然の心筋梗塞(循環器障害)や脳溢血(脳疾患)で急死してしまうケースが考えられます。
また体力や視力の低下によって転倒し、急性硬膜下血腫などで孤独死してしまうケースもよく見られます。
お風呂場での孤独死も非常に多いです、ヒートショックによる脳梗塞や心筋梗塞、また不整脈などがお風呂場で起こってしまうと、転倒して頭を打つ危険性や、浴槽内での溺死も孤独死の要因になっています。
不健康
生活習慣病や慢性的な疾患を抱えている方も孤独死してしまうリスクが高いです。
ご高齢の方は、高血圧や心臓疾患などの持病を抱えている方が多いことは分かりますが、青年層や中年層でも不健康な方は孤独死のリスクがあります。
フリーターや派遣アルバイトで生計を立てている若者は、経済的に苦しい生活を送っています。
十分な食事をとれなかったり、カップラーメンばかりの食事で栄養が偏ると、栄養失調になり孤独死に繋がってしまうこともあります。
また、働き盛りの中年世代では、長時間の残業からくる過労死、また40代になってくると高血圧や糖尿病などの生活習慣病が発症しやすくなってくる年代でもあり、孤独死に繋がるリスクが出てきます。
日頃から不健康な生活をしている方は、孤独死してしまう可能性が高いと言えるでしょう。
人付き合いが少ない
孤独で人付き合いが少ない方は、孤独死をして発見も送れるケースが多くあります。
特にお仕事をリタイヤされた高齢者の方で人付き合いが少ない方が、病気になったり不慮の事故に合うと、誰も気づかずに孤独死してしまいます。
老人クラブや、趣味の習い事など積極的に誰かとコミュニケーションを取っていると、何か異変が起きても気づいてもらえて孤独死せずに助かることも多いです。
この「人付き合いが少ない方」は男性に多く見られ、孤独死の男女比は8:2というデータからもよく分かります。
孤独死の確率が低い女性はコミュニケーション能力が高く、近所でも井戸端会議をしているのは女性ばかりだということからも伺えます。
親類がいない・疎遠・子供と別居
親類がいると挨拶やお話、誕生日などのイベントなどで連絡が取りあえるので、孤独死せずに済むこともあります。
親類がいない天涯孤独な方は、孤独死の可能性が高くなるということになります。
親類がいても近くに住んでいなかったり、疎遠になっていたりすれば、それは親類がいないのと同じ状況なので孤独死のリスクは上昇します。
昔は親が隠居すると子供が面倒を見る、というのが当たり前でしたので孤独死するということは少なかったのですが、昨今の核家族化により親と子供が別々に暮らすことが多くなったため、孤独死の件数も増えてきています。
パラサイト・シングル
孤独死の可能性を持つ“パラサイト・シングル”とは「学校を卒業後も親と同居し、経済面や家事などの日常生活を親に全て依存している未婚者」のことを言います。
かつては10代や20代の若者を指す言葉でしたが、問題が提起された頃から年月が過ぎるに従って、中心層は30代から40代の中年層へと移りつつあります。
いわゆる「ニート」もパラサイト・シングルに含まれますが、年齢層が上昇する昨今では「高齢ニート」という言葉も出来てきました。
パラサイト・シングルは、「同居する親が亡くなった後、社会的に孤立し孤独死の可能性が高い」と専門家から厳しい指摘がされています。
総務省統計局の公表した統計データによると、“パラサイト・シングル”の人口は2003年には191万人で、33歳から44歳の全人口の約12パーセントでした。
しかし、2007年になると262万人で約15パーセント、2012年には305万人で約16パーセントと、その数も、割合も増加の一途を辿り、それに伴い孤独死の件数も増加しています。
孤独死の防止策
ここでは、この孤独死という社会問題を防止する策はないのか?ということについて書いていこうと思います。
孤独死の主な要因は、一人暮らしなどで社会から孤立してしまった方に起こります、ですので孤独死を防止するには、社会との繋がりを持つことがとても重要になってきます。
それでは、具体的に孤独死を防止するための方法をいくつかご紹介いたします。
サークルなどに参加する
趣味のサークルや習い事を通じ、孤立せず社会と繋がってみるのもいいと思います。
高齢者向けのサークルや老人クラブというものは、どこの地域にも存在します。
そこで知り合った方と、お食事をしたりカラオケ、買い物、観光旅行などを楽しむのもおすすめです。
習い事もパソコンを覚えてみたり、楽器を演奏してみたりすると、生活にハリが出て新しい発見が生まれるかもしれません。
また、経済的な問題で高校などに進学できなかった方が、定時制学校などに通い、履修する高齢者の方もいらっしゃいます。
他には、地域のボランティア活動を通じ、社会との繋がりはもとより、社会貢献されている高齢者の方も沢山います。
このように様々なコミュニティに参加することによって、社会との繋がりができ、孤独死は防ぐことができます。
孤独死防止サービスを利用する
昨今の高齢化問題から、孤独死を防止するようなサービスがどんどん生まれてきています。
特定施設入所者生活介護(有料老人ホームなど)や訪問介護サービス(ホームヘルプサービス)の歴史は古くから孤独死防止に知られています。
20年ほど前からは、デイサービスやデイケアといった通所介護サービスが発展してきて、孤独死防止に定着しています。
近年では、訪問見回りサービスや、電話での安否コールサービス、人感センサー、防犯カメラ、GPS機能を使った安否確認なども普及しております。
また、宅配や買い物代行、家事手伝いサービスを通じて孤独死を防止するサービスも普及しているので、利用してみるのも孤独死防止に有効な手段だと思います。
連絡を取り合う
ご家族やご親類がいらっしゃる方は、普段からこまめに連絡を取るようにしましょう。
ご高齢者さんは気を遣って連絡を控えてしまいがちですので、年齢の若い方から連絡を取ってあげるとよいと思います。
毎日の連絡は難しいかと思いますが、数日に一回、週に一回など、定期的な連絡を心がけるだけでも孤独死の確率は下がってくるでしょう。
近年ではスマートフォンの安否確認アプリなども開発されているので、これを機会に利用してみるのも孤独死防止に繋がっていくと思います。
孤独死を発見した場合
悲しいことに孤独死はいくら防止策を講じても、起きるときは起こってしまいます。
高齢者だけでなく体力のある中年層や青年層でも、一人暮らしをしている以上は誰にでも孤独死のリスクは付きまといます。
孤独死を発見した場合、また身内や、住居人の孤独死の知らせを受けた場合は、どのように対応するべきか。
孤独死が起こってしまった時の対応の手順などをご説明していきます。
孤独死の第一発見者とは
意外なことに、ご家族や親類が孤独死を発見するケースは少ないです。
これの理由として孤独死は、ご家族や親類と疎遠な方によく起きてしまうことがあるからです。
また、孤独死は一人暮らしの賃貸住宅に住んでいる方に起こりやすいことから、大家さんや不動産管理会社の方が発見者になることが多くあります。
他には、孤独死から時間が経過し腐敗臭(死臭)によって異変に気付き、郵便物を届けに来た宅配業者や、近隣の住民が警察に通報、あるいは大家さんなどに連絡し、発見されるケースも多いようです。
孤独死に対応する人
ご家族や親類、近隣住民などが孤独死を発見した場合には、いずれも大家さん、もしくは不動産会社が対応することが多いようです。
ご家族の立ち合いの元で退去手続きや清掃費の負担、場合によれば原状回復リフォーム工事などの手続きが進んでいきます。
清掃費や原状回復リフォーム費用は、賃貸契約の内容によって、相続人か大家さんの負担になるかは変わってきます。
相続人負担の場合でもご遺族が相続放棄をされた場合は、大家さんや不動産管理会社の負担となり孤独死に対応することとなります。
孤独死発見後の手順
ここでは、孤独死を発見した場合の手順を見ていきましょう。
手順をあらかじめ知っておくことで、突然の不幸が起こっても慌てずに対応することができると思います。
一般的な手順なので、場合によっては前後したり、必要のない項目などもございます。
<1、警察に連絡>
孤独死を発見した場合には、まず警察に通報します。警察は殺人などの事件性があるかどうか判断するために現場検証を行い、遺体の搬送をします。
<2、警察からご遺族に連絡が入る>
場合によって検死やDNA鑑定が行われ、部屋の中にあった情報からご遺族に連絡が届きます。
ご家族や親類がいない場合は、全く面識のない遠い親類に連絡が入ることもあります。
<3、葬儀を行う>
葬儀を執り行う手続きをします。ご家族や親類が対応できる場合は葬儀社に依頼します。対応する方が存在しない場合は各自治体が対応することとなります。
<4、部屋の片付け>
故人が残した遺品の片付けをします、ご遺族様で片付けられるか、片付け業者、遺品整理業者などに依頼することもできますが、費用が発生します。
長時間経過した孤独死の場合は、ご遺体から出た体液・血液などの汚れや、腐敗臭などが染み付いているため「特殊清掃業者」に依頼することが必要になります。
<5、原状回復リフォーム>
発見が遅れた孤独死の場合や、故人の過失によってできたキズや汚れがひどい場合には、賃貸前の状態に戻す義務があるため、壁紙の張り替えや床の修繕などの「原状回復リフォーム」が必要になります。
<6、保険や預金などの各種手続き>
保険や公共料金の解約、預金の引き下ろしなどたくさんの手続きをする必要が出てきます。
面倒で複雑な手続きが必要になってきますが、孤独死に限らずとも誰かがお亡くなりになれば、必ずしなくてはいけない作業です。
孤独死の処理をする特殊清掃業者とは
先ほども書きましたが、長時間経過した孤独死の場合は、ご遺体から出た体液・血液などの汚れや、腐敗臭などがお部屋全体に染み付いています。
目を覆いたくなるようなグロテスクな現場であり、鼻を刺す強烈な異臭、感染症の恐れもあるため、一般的なハウスクリーニング業者では対応できないため特殊清掃業者が存在します。
特殊清掃業者は、特殊な薬品や専用の脱臭器などを用いて孤独死現場を清掃し、原状回復させます。
特殊清掃の費用は、故人の亡くなり方や、部屋の広さ、遺品の物量など現場の状況によって、数万円~数十万円とかなりの幅が出てきます。
孤独死はその性質上、発見が遅くなるケースが非常に多いため、特殊清掃業者に依頼するが多いと言えるでしょう。
特殊清掃業者を選ぶポイント
特殊清掃は現場の状態や故人がどこで亡くなったのかということでも対処の方法が変わってきます。
経験の浅い特殊清掃業者では対処しきれない場合や、中途半端な作業で完了されたりすることもあるので、豊富な経験と実績がある特殊清掃業者を選ぶようにしましょう。
あるいは見積もり時や電話で直接聞くのもいいと思います。答えられないような業者は避けたほうが賢明です。
「孤独死とは?」まとめ
孤独死とは総じて、社会との接点が無く孤立している方によく起こってしまいます。
現在では高齢者だけではなく、青年や中年層でも孤独死は問題視されています。
インターネットの普及で、引きこもりがちになってしまうのも孤独死してしまう一つの原因かと思います。
しかし人間は、昔から群れを作って生活を営んできた生き物です。
どんなに小さな接点でも良いと思いますので、勇気を出し地域のコミュニティなどへ参加をするような努力をしてみて下さい。
また、社会との接点が薄くなっている方を見つけたら、やさしく話しかけてあげて下さい。
そうすれば、一人一人が社会と繋がっていき、孤独死という社会問題も少なくなっていくことだろうと思います。
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住所 〒591-8043 大阪府堺市北区北長尾町6-4-17
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