バリカン廃棄の注意点発火や破裂を防ぐ正しい捨て方

毎日の身だしなみやセルフカットに活躍するバリカンですが、使い終えた後の処分方法について、具体的に考えたことはありますでしょうか。
特に近年、手軽さから充電式タイプを選ぶ方が増えていますが、その構造ゆえに、廃棄の際に思わぬリスクが伴うことがあります。
安全かつ適切にバリカンを手放すためには、その処分方法に潜む危険性を正しく理解し、適切な手順を踏むことが非常に重要となります。

バリカンを廃棄する際のリスクは？

充電式バリカンは発火・破裂の恐れがある

充電式バリカンには、小型ながら高エネルギーを蓄えられるリチウムイオン電池が内蔵されていることが一般的です。
このリチウムイオン電池は、強い衝撃を受けたり、圧迫されたり、高温にさらされたりすると、内部で短絡（ショート）を起こし、急激な発熱、発火、さらには破裂に至る危険性があります。
使用済みのバリカンを廃棄する際、特に中身を確認せずにそのままゴミ袋に入れたり、他の硬いものと一緒に投げ入れたりする行為は、電池を損傷させ、このような事故を引き起こすリスクを高めてしまいます。

一般ごみは火災リスクを高める

充電式バリカンを、電化製品の回収や特別な処理が必要なものとして認識せず、そのまま「もえるごみ」や「もえないごみ」といった一般ごみとして分別してしまうと、収集運搬車や廃棄物処理施設において深刻な火災を引き起こす原因となり得ます。
収集車の中では、他のゴミと共に圧縮される過程で内部の電池が損傷する可能性があり、また、焼却施設では高温処理の過程で発火する危険性が高まります。
これらの火災は、作業員の安全を脅かすだけでなく、施設や周辺地域にも甚大な被害を及ぼす可能性があるため、絶対に避けなければなりません。

バリカンの安全な廃棄方法

電池を取り出して分別する

もしお使いのバリカンの取扱説明書等で、内蔵されている電池を安全に取り外すことが可能であると確認できた場合は、これが最も推奨される処分方法の一つです。
電池を取り外す際は、取扱説明書の手順に従い、無理な力を加えたり、電池自体を傷つけたりしないよう細心の注意を払ってください。
取り外したリチウムイオン電池は、一般のごみとは異なり、専門の回収ルートで処分する必要があります。
回収ボックスに投入する前には、電池のプラス・マイナス端子部分をテープなどで絶縁し、ショートを防ぐための安全対策を施すことが推奨されます。

電池内蔵のまま小型家電回収へ

電池が本体に固定されており、ご自身で安全に取り外すことが困難な場合や、取り外した電池の適切な処分方法が不明な場合は、多くの自治体で実施されている「小型家電リサイクル回収」の利用を検討しましょう。
公共施設やスーパーなどに設置されている回収ボックスに、バリカン本体（電池内蔵のまま）を投入することで、適正にリサイクル・リユースされます。
ただし、回収ボックスへ投入する際も、バリカンが破損しないよう、また、内部の電池が外部からの力で損傷しないよう、丁寧に取り扱うことが重要です。

自治体の回収ルールを確認する

バリカンの廃棄方法は、その種類（充電式か電池式か、電池の種類や取り外し可否など）や、お住まいの自治体によって細かく規定されている場合があります。
一般ごみとしての回収、特定品目としての拠点回収、小型家電リサイクルとしての回収など、どの方法が適切かは、各自治体のルールによって異なります。
そのため、廃棄を行う前に、必ずお住まいの自治体のウェブサイトや配布されるごみ収集カレンダーなどで、最新の情報を確認することが不可欠です。
不明な点は、自治体の環境担当部署や清掃事務所に直接問い合わせるのが最も確実です。

まとめ

充電式バリカンの廃棄には、内蔵されたリチウムイオン電池に起因する発火・破裂のリスクが潜んでいます。
安易に一般ごみとして捨てると、収集・処理過程での火災の原因となり、大きな危険を招く可能性があります。
安全な処分のためには、まず取扱説明書で電池の取り外し可否を確認し、可能であれば電池を分別して専門の回収ルートへ、取り外せない場合は小型家電リサイクルとして回収に出すのが適切な方法です。
大切なのは、これらの手順を進める前に、必ずお住まいの自治体が定める最新の回収ルールを確認することです。
正しい知識に基づいた確実な手順で、安全にバリカンを手放しましょう。