産業廃棄物としてのパソコン廃棄！適切な処理方法とは？

企業の情報システム担当者にとって、古くなったパソコンの処分は頭を悩ませる問題です。
法律に則った適切な廃棄方法を知らないと、データ流出や環境汚染のリスクにさらされかねません。

本記事では、企業で使用されるパソコンの法的な扱いと、実践的な処分手順を解説します。
廃棄の責任と手続きを正しく理解することで、安全かつスムーズなパソコン処分を実現しましょう。

□産業廃棄物としてのパソコン処分について

企業で使用されるパソコンは、家庭用とは異なる扱いが求められます。
事業活動から生じた廃棄物である「産業廃棄物」として分類され、廃棄物処理法により排出業者である企業に処理責任が課されているのです。

以下の3点を踏まえ、適切な処分を行う必要があります。

1:産業廃棄物扱いになる

法人のパソコンは産業廃棄物に該当するため、家庭用のように自治体に処分を依頼することはできません。
産業廃棄物処理業者やメーカー、リサイクル専門業者など、許可を持つ業者に委託しなければなりません。

2:リサイクルが義務付けられている

資源有効利用促進法により、メーカーは法人向けパソコンの回収とリサイクルに責任を負います。
リデュース・リユース・リサイクルの「3R」を推進するため、適切な再資源化が求められるのです。
義務の懈怠は法令違反となり、罰則の対象となり得ます。

3:マニフェストによる管理が必要

産業廃棄物の処理委託には、マニフェスト（管理票）の交付が義務付けられています。
排出事業者は、最終処分まで廃棄物の流れを把握し、マニフェストを適切に保管する必要があります。

□企業用パソコンの廃棄オプションと手順

法人のパソコンを処分する際は、リサイクル業者・産業廃棄物処理業者・パソコンメーカーなど、複数の選択肢があります。
それぞれの特徴とメリットを理解し、自社に最適な方法を選びましょう。

1:リサイクル業者への依頼

パソコンなどの電子機器に特化したリサイクル業者は、リユースやリサイクルで収益を得ているため、比較的安価な処分費用が期待できます。
ただし、「小型家電リサイクル法」の認定事業者であるかを確認し、適正なルートで処理を行う信頼できる業者を選ぶ必要があります。

2:産業廃棄物処理業者への依頼

大量または複数メーカーのパソコンを処分する場合は、産業廃棄物処理のプロに任せるのが効率的です。
専門業者による完全な破砕・溶融処理でデータ漏洩のリスクを最小限に抑えられますが、マニフェストの管理を怠らないよう注意が必要です。
電子マニフェストへの対応もポイントです。

3:メーカーへの依頼

同一メーカーの少数のパソコンであれば、製造メーカーに回収・リサイクルを依頼するのも一案です。
メーカーは資源有効利用促進法に基づき、デスクトップPC本体、ノートPC、CRTディスプレイ、LCDディスプレイを回収対象としています。
リサイクル料金の負担はありますが、確実な処理とデータ消去が期待できるでしょう。

□まとめ

企業におけるパソコンの処分は、産業廃棄物としての扱いが求められ、リサイクルとマニフェスト管理が法律で義務付けられています。
リサイクル業者・産業廃棄物処理業者・パソコンメーカーといった廃棄の選択肢を比較検討し、信頼できる業者を選定することが肝要です。
適切な手順とルールに則ったパソコン廃棄を行うことで、企業の社会的責任を果たし、データ流出や環境汚染のリスクを回避しましょう。