特殊清掃は何日にかかる？ 所要時間と手順について解説！

 

突然の悲劇に見舞われ、大切な人を失ったショックから立ち直る間もなく、残された物件の清掃という現実的な問題に直面する遺族の方々。
特殊清掃が必要になった場合、一体どのような作業が行われ、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。

このような疑問や不安を抱える物件の管理者やオーナーの方々に向けて、本記事では特殊清掃のプロセスを詳しく解説し、作業完了までの目安となる日数についてもご説明します。

 

□特殊清掃のスタートから完了までの流れ

 

特殊清掃は、単なる表面的な掃除とは異なり、感染予防や臭気除去のための専門的な技術と知識が求められる作業です。
ここでは、特殊清掃の初期準備から消臭作業までの具体的なステップを順を追って解説していきます。

 

1:作業開始前の感染予防と除菌・消臭

 

孤独死現場では、体液や血液、体内の脂などが主な臭いの原因となっています。
これらには細菌やウイルスが含まれているため、作業者は防護服、防護メガネ、防毒マスク、手袋を着用し、感染リスクから身を守ります。
その上で、専用の薬剤を使用して徹底的な除菌と消臭を行います。

 

2:壁や床材の清掃・撤去

 

体液が床材や壁材にしみ込んでいる場合、表面だけを清掃しても臭いを完全に取り除くことはできません。
そのため、状況に応じて床材や壁材をはがし、しみ込んだ汚れを根本から清掃します。
現場の状態を見極め、最適な方法を選択することが重要です。

 

3:遺品の撤去

 

清掃が終わった後は、臭いが染みついた遺品を部屋から取り除きます。
特にじゅうたんやカーテン、ソファなどの布製品は臭いが付着しやすいため、注意が必要です。
遺品の処理は、遺族の意向を尊重しながら慎重に進めていきます。

 

4:臭気完全除去作業

 

部屋から全ての物を撤去した後、専用の薬剤を天井、壁、床全体に噴霧します。
さらに、オゾン脱臭器を使用して強力な脱臭を行います。
この作業には、部屋の大きさにもよりますが、およそ3日ほどかかります。
消臭作業に十分な時間をかけることで、臭いを完全に除去することができるのです。

 

□特殊清掃は何日かかる？所要時間について

 

特殊清掃の所要時間は、物件の状況によって大きく異なります。
ここでは、清掃作業にかかる時間を左右する要因と、作業効率化のポイントについて解説します。

 

1:間取りと汚損度が作業時間に与える影響

 

特殊清掃にかかる時間は、物件の間取りや汚損の度合いによって変化します。
作業範囲が広く、汚損が激しいほど、原状回復には長い時間が必要となります。
例えば、1LDKで死後5日経過した物件の場合、作業時間は約3時間、消臭時間は約7時間ですが、4LDKで死後2週間経過した物件では、作業時間が6時間、消臭時間が48時間にまで及ぶことがあります。

 

2:消臭作業に要する時間

 

特殊清掃において、消毒や除菌、汚損物の撤去などの作業自体は比較的短時間で完了しますが、消臭にはその何倍もの時間がかかります。
臭いの種類に合わせて適切な薬剤を選択し、脱臭機を用いた作業を繰り返し行う必要があるためです。
完全に消臭できるまでに1週間以上を要するケースもあり、消臭作業が特殊清掃の大部分を占めているといえます。

 

3:作業時間短縮のためのポイント

 

特殊清掃にかかる時間を短縮するためには、できるだけ早い段階で作業に着手することが重要です。
汚損が拡大すれば作業量が増え、それだけ時間もかかってしまいます。
また、作業者の技術力や経験値も作業効率に影響を与えるため、信頼できる専門会社に依頼することをおすすめします。

 

□まとめ

 

本記事では、特殊清掃のプロセスを初期準備から消臭作業まで段階的に解説し、作業完了までに要する日数の目安についてもご説明しました。
特殊清掃は、感染予防や臭気除去のための高度な専門性が求められる作業であり、その所要時間は物件の状況によって大きく異なります。
間取りが広く、汚損度が高いほど作業時間は長くなり、特に消臭には数日から1週間以上かかることもあります。

できるだけ早期に専門会社に依頼することで、作業時間の短縮と効果的な原状回復を図ることができるでしょう。
特殊清掃が必要になった際は、本記事の情報を参考に、適切な対応をとっていただければと思います。