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特殊清掃の消臭・脱臭方法を現役特殊清掃士が公開!
特殊清掃とは孤独死や自殺現場・病死など遺体から出てくる血液や体液、髪の毛、皮膚などが付着した床や壁の清掃さらに死臭を消臭・脱臭、除菌するのが「特殊清掃」になります。
特に臭いに関しては近隣の迷惑や、次に人が住めるようにしなくてはならないため、消臭・脱臭は特殊清掃において一番重要となる作業の一つです。
遺体は夏場で2~3日、冬場では1週間~10日(暖房時にはもっと早い)で腐敗がはじまり、それに伴って腐敗臭いわゆる死臭も激しさを増してきます。
死臭は世界で一番の悪臭といわれています。特殊清掃はそんな悪臭が漂う中、消臭・脱臭の作業を行っていきます。
では一体どのようにして強烈な死臭を確実に消臭・脱臭していくのか、現役特殊清掃士がその方法と手順を公開してみようと思います。
特殊清掃を頼もうと検索している方や、これから特殊清掃士を目指そうと思っている方への参考になれば幸いです。
●特殊清掃の死臭ってどんな臭い?
●特殊清掃における消臭・脱臭の方法
●特殊清掃の消臭・脱臭に掛かる掛かる費用
●「特殊清掃の消臭・脱臭方法を現役特殊清掃士が公開!」まとめ
まずは、特殊清掃における死臭とは一体どのような臭いなのかを書いてみようと思います。
実際に嗅いでみないことには分からないとは思いますが、現役の特殊清掃士の私の意見や、インターネット上での意見などをまとめます。
死臭の成分は主にアンモニア・トリメチルアミン・インドール・スカトール・メンタチオール(メチルメルカプタン)・硫化水素・揮発性アミン・プトレシン・酪酸(ブタン酸)・吉草酸・カダベリン・プロピオン酸(脂肪酸)など、複数の悪臭成分が合わさっています。
耳慣れない言葉ですが、アンモニアはおしっこ、硫化水素やインドール、スカトールなどは大便、吉草酸の中のイソ吉草酸は足の裏の臭いの成分として有名ですね。
死臭の中で悪臭が高い成分は、カダベリン・プトレシン・酪酸・メンタチオールで腐敗臭の代表格です。
特にカダベリンとプトレシンという分子は、ほとんどの動物が逃げ出すほどの悪臭で
1885年にドイツ人医師ルードウィッヒ・ブリーガーによって初めて発見され、アミノ酸のリシンとメチオニンがそれぞれ分解するときに発生します。
死臭は、くさやの干物やチーズ、生ゴミが腐ったニオイに近いと言われています。
他によくある意見が「べったら焼きとイカ焼きを腐らせた臭い」というのも有名です。
他の意見では、コーヒー牛乳、ヨーグルトが腐った臭い、オシッコを尿瓶に溜め込んで発酵させた臭い、などもありました。
水中で遺体が腐敗した場合はドブのヘドロのニオイ、冬場など中途半端に乾燥した場合はスルメのニオイ、ミイラ化しているの場合はかつお節に近いニオイがするとの意見もありました。
何かを腐らせた臭いが近いという意見が多かったので、やはり「腐敗臭」ということが分かるかと思います。
現役で特殊清掃業務を行っている私の意見としては、上記であげた意見とほとんど変わらないです。
亡くなった方が菜食主義者だったのか、肉食主義者だったかなど、食べていたものによって臭いの違いはあるかと思いますが、ほとんどの場合同じような臭いがします。
もし、動物の死骸の臭いを嗅いだことのある方でしたら一番死臭に近いです。
私が以前働いていた会社の倉庫でたまにネコやネズミが死んでいたのですが、見つけられないような場所で死んでいた場合、腐食した臭いが漂ってきます。
はじめて特殊清掃の現場で死臭を嗅いだときに、「あの臭いだ!」とフラッシュバックするほど似ていました。
動物で一番人間の死臭に近いのは「ブタ」といわれています、ブタと人間は内臓の大きさなど組織学的に、あるいは生理学的に、似ているところがたくさんあるからだそうです。
特殊清掃での死臭というものがどのようなものか、少しは分かっていただけたかと思います。
それでは今回のテーマである特殊清掃業の消臭・脱臭の方法を公開していきます。
特殊清掃での臭いの取り方に決まりはありません、様々な業者が独自の方法や薬品・機材を使い色々な方法で消臭・脱臭を行います。
特殊清掃は亡くなっていた場所など状況によって消臭・消毒の方法や、薬品・機材が変わってきます。
ここでは弊社が実際に特殊清掃で行っている消臭・脱臭の一例をご紹介したいと思います。
特殊と書きましたが、特殊というより企業秘密の薬剤を使います、これはどこの業者でも共通しますが使っている薬剤は、市販では売られていない強力な消臭・除菌専用の薬剤です。
どんな薬剤を使うか、またその薬剤によって消臭・除菌能力に差がでますし、弊社では薬剤に添加物を入れて性能を高めたりもしますので、公開はできないので「特殊」と書いたまでです。
この薬剤を通常の噴霧器より粒子を細かく出せるフォグマスターという専用の噴霧器で散布します。
粒子を細かくする理由は部屋の隅々まで薬剤を行き届かせ除菌・消臭させるためです。
だたしこの機材には弱点があって電源がないと稼動できません、特殊清掃の現場では電気が止まっているお宅もありますので、その場合は電池式や手動式のものを使い除菌・消臭していきます。
特殊清掃の消臭・脱臭において遺品が残っていると、遺品に臭いが付いてしまっているのでいくら消臭剤をかけても臭いが残ってしまいます。
特殊清掃+遺品整理となると高額になってしまうので申し訳ないのですが、弊社では完全な消臭・脱臭をするため依頼者様にお願いしております。
費用面で難しいといわれた場合は、臭いが残ってしまう旨をお伝えし、了承の上で特殊清掃に取り掛かります。
空間消臭・除菌の次は、亡くなっていた場所の清掃および、壁や天井の特殊清掃をおこないます。
亡くなっていた場所には血液・体液、髪の毛や皮膚がへばりついています、これらはタンパク質が主成分なので、タンパク質を溶かして浮かせてくれる特殊な薬品を噴霧します。
そしてブラシなどを使いさらに浮かせ、ウエスなどでふき取ります、この作業を綺麗になるまで何度も繰り返します。
血液・体液が除去できたら、お部屋全体の床と壁、さらに天井まで薬品を染みこませたウエスやぞうきんで拭き掃除します。
床と壁、天井にも目に見えない血液や体液が飛んでしまっているためです、ピンポイントの場所だけ清掃しても完全な消臭・脱臭はできないのできちんとした業者を選びましょう。
最後に水拭きして特殊清掃は完了です。
腐敗が進んでいて、壁紙の下地まで臭いが付いている場合や、体液が床下まで染み出しているような場合は、表面の清掃だけでは消臭・脱臭ができないので
壁紙を撤去して下地を清掃、フローリングを撤去して床下の清掃をすることもよくあります。
臭いがかなりきつい場合は、専用の塗料を塗って匂いを封じ込める「コーティング消臭」作業をすることもあります。
さらに壁の下地は石膏ボードがよく使われ、石膏ボードは臭いが染み込みやすいため、リフォームで取り替えます。
フローリングもめくってしまうと、元に戻すためにはリフォームが必要なので、特殊清掃に掛かる費用がグンと上がってしまいますが、完全消臭・脱臭のためにお願いしております。
弊社ではお客様に現場の状況をきちんと説明し、お客様の判断でリフォームをするかしないか決めてもらっています。
すると決まれば専門の技術者にきちんと施工させ、新築レベルまで綺麗に致しますのでお任せ下さい。
特殊清掃が終わり臭いが残っている場合で、リフォームをする場合もありますのでケースバイケースで対応致します。
作業工程は一番最初に書いた薬剤を噴霧し除菌・消臭と同じ手順です。
特殊清掃で使う薬剤は高価なので、一度の噴霧で終わる業者も多いですが、弊社では、完全な除菌・消臭・脱臭をめざしているので再び噴霧します。
一度目とは違う薬剤を使用しますが、企業秘密なので申し訳ありませんが公開できません。
消臭・脱臭剤を噴霧し臭いがなくなれば作業は終了ですが、臭いが取れない場合はオゾン脱臭機を使用し消臭・脱臭させます。
オゾンは、3つの酸素原子からなる酸素の同素体で、分子式は「O3」です。
オゾンはきわめて不安定で反応性が高いため、様々な物質と反応して、もとの酸素(O₂)に戻ろうとします。
このメカニズムを利用して、ニオイのもとになっている物質や、人にとって有害な菌などとくっついて分解するのがオゾンの特性です。
分解したあとオゾンは酸素に戻り完全無害化されるため、薬品を使用しての消臭・脱臭、殺菌・消毒と比べ圧倒的に効果があり、消臭・脱臭や殺菌・除菌が必要な特殊清掃現場では高濃度のオゾンを使用します。
人がオゾン含有空気を吸引すると、鼻腔・喉・気管・肺などの表面が酸化され、臭気・刺激・咳・頭痛・眠気・胸部圧迫感などの症状が現れ、一定以上の濃度(5~10ppm)での曝露(吸引)が続くと肺水腫を招き、更に生命の危険を招きます。オゾンの発ガン性は確認されておりません。
特殊清掃現場の消臭・脱臭には高濃度のオゾンを扱うので、取り扱いには注意が必要ですが、先程も書いた通りオゾンは酸素に変化するのでオゾン脱臭機使用後でも換気さえ行えば問題ありません。
特殊清掃における消臭・脱臭の方法が一通り分かっていただけたかと思います。
では、この特殊清掃で行う消臭・脱臭に必要な費用はどれくらい必要なのかをお伝えしようと思います。
業者や消臭・脱臭の方法によって料金相場は変動しますが、一般的な金額を参考にします。
下記には一般的な特殊清掃の料金目安を記載しています。
項目ごとに料金を書いている業者や、パック料金などを設定している特殊清掃業者もあります。
腐敗がかなり進んでしまっている状況や、特殊清掃を必要とする面積が広いと、それだけ特殊清掃が必要になるため、料金が高くなっていきます。
なのでほとんどの業者が「〜」と表記しています、後々高額な請求をされないように、実際の現場の状況を確認してもらい、きちんと見積もりを出してもらいましょう。
また、リフォームや解体の必要がある場合には、どこまでリフォームや解体をするかによって料金が大きく変動します。
この一覧表には書いていませんが、特殊清掃業者に聞いて料金の目安や正確な見積もりをもらうようにしましょう。
特殊清掃の料金の相場
特殊清掃は普通のハウスクリーニングより費用が高額になってしまいます、いくつかその理由がありますのでお伝えしようと思います。
特殊清掃はその作業内容から安い給料ではなかなか人が集まらないので、他の職種に比べ高めの給料体系となっています。
このため人件費がかさんでしまうので、料金相場に反映されてしまいます。
血液や体液のついた布団やベッド、家具などの処分は廃棄物処理業者から敬遠され処理費用が一般の廃棄物よりも高めに設定されています。
この処理費用も特殊清掃の料金相場に反映されてしまいます。
特殊清掃で使用する薬品は一般的な消臭剤・除菌剤と比べ非常に優れているのですが、製造量が少ないので一般的な消臭剤や消毒剤よりも単価がかなり高額です。
また消臭・消毒に使用するマイクロ噴霧器やオゾン発生器などは、海外で製造されていることも多く非常に高価なものです。
大量に消費する消臭剤や消毒剤と、数十万円から百万円を超えるような機材を使用するために料金が高くなってしまいます。
特殊清掃では使用するブラシやモップ・スクレイパーなどの道具や手袋、防護服、シューズカバーなどの衣類も基本的に全て使い捨てです。
高価な機材などは消毒し再び使いますが、ブラシなどは消毒をする消毒剤の方が高価なので、感染症予防のためにも使い捨てなくてはなりません。
このためどうしても特殊清掃の料金は高くなってしまいます。
特殊清掃は感染症のリスクや悪臭の中での作業のため、専門の業者に依頼して行ってもらう必要があります。
しかし、安易に特殊清掃業者を選ぶと、後になって後悔してしまうことも考えられます。
では、実際によくある問題と、後々後悔しない為の賢い業者選びをお伝えします。
臭いが取れないという問題は、特殊清掃の専門的な技術がない業者に依頼してしまった場合に起こってしまいます。
また、あまりにも料金を安くしてもらうと価格交渉をしすぎた結果、手を抜いた特殊清掃作業になってしまい、臭いが取れなかったということもあります。
元々、安い料金を設定している業者も、手抜きありきで作業するので注意が必要です。
特殊清掃は依頼者さまが立ち会うということは、めったに御座いませんのでいくらでもごまかせます、作業中の写真など撮ってもらうとより安心かと思います。
特殊清掃の場合、基本的に高額な費用が必要になってきます。
そのため、安い特殊清掃業者に目がいってしまいますが、一度考え直して下さい。
不当な請求をされたケースのほとんどでは、最初に安い金額を提示しておいて、作業が終わってから「予想以上に損傷していた」「予想以上に薬品が必要だった」などと理由をつけて請求金額を要求していきます。
また、依頼していないのに勝手に「床を剥がしていたり」、勝手に「壁紙を剥がしたり」して、その分の費用を上乗せしてくる悪徳業者も存在します。
特殊清掃をしても消臭・脱臭が出来ていない、不当な請求されたなどのトラブルに巻き込まれないようにする為には、きちんとした特殊清掃業者を選ぶ必要があります。
ここでは、優良な特殊清掃業者を見極めるポイントを書いてみようと思いますので参考にして下さい。
特殊清掃業者選びで大切なポイントは、対応の良い業者に依頼することです。
特殊清掃はその仕事内容ゆえ一般顧客からのリピーターはほとんどありません、初めて話す人への電話対応や、下見や見積もりの際の言動をしっかりと確認してください。
普段の言動がいいかげんだったり身だしなみが悪い業者は、特殊清掃作業もいいかげんな業者が多いです。
特殊清掃業者を探している人のほとんどが、インターネットで検索しホームページや広告を見ていることでしょう。
特殊清掃業者も必ずと言っていいほど自社のホームページを持っています。
ホームページには料金の詳細、自社の強みやサービス内容、消臭・脱臭・除菌などの技術面を解説しているページがあったり、過去の作業事例も載せていたりします。
それらのページをチェックし、きちんと作り込まれている業者は、しっかりとお客様に説明している姿勢を持っている業者といえるので優良な業者が多いです。
料金の目安などが無く、「詳細はお電話で」のようなホームページは怪しい業者の可能性があるので、選ばないほうが無難でしょう。
遺品整理や生前整理も平行して行う業者がほとんどで、特殊清掃のみ専門で行っている業者は現状として少ないです。
特殊清掃と遺品整理・生前整理のどの作業もきちんとこなす業者も多いのですが、中には遺品整理がメインで特殊清掃はそこまで専門ではない業者もございます。
そういった業者は特殊清掃に関する知識や技術が未熟で、完全な消臭・脱臭ができないことがあるので黄色信号です。
また、依頼が来ると提携している他の業者に「丸投げ」することもあります。
そうなると仲介料金が依頼者さまの知らないところで発生し、費用が高額になってしまうこともよくあります。
特殊清掃が専門ではない業者は、ホームページの特殊清掃に関するページが少なかったり、事例が載っていないことが多いので見極めるポイントだと思います。
また元々リサイクルショップや引越し屋、不動産業者が、業務拡大のため会社を作っていることもあります。
そのような業者は特殊清掃の技術を持ってない可能性がありますので、会社概要などをチェックするのもよいかと思います。
今回は、実際に特殊清掃の現場で行われている消臭・脱臭に関する方法を公開いたしました。
特殊清掃に掛かる費用や特殊清掃業者の選び方についても触れました。
特殊清掃で消臭・脱臭の必要がある場合には、ぜひここでの知識を参考にしてみて下さい。
大阪周辺で特殊清掃や遺品整理、生前整理、不用品回収の業者をお探しならアスエルまでご連絡下さい。
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特殊清掃の消臭・脱臭方法を現役特殊清掃士が公開!
特殊清掃とは孤独死や自殺現場・病死など遺体から出てくる血液や体液、髪の毛、皮膚などが付着した床や壁の清掃さらに死臭を消臭・脱臭、除菌するのが「特殊清掃」になります。
特に臭いに関しては近隣の迷惑や、次に人が住めるようにしなくてはならないため、消臭・脱臭は特殊清掃において一番重要となる作業の一つです。
遺体は夏場で2~3日、冬場では1週間~10日(暖房時にはもっと早い)で腐敗がはじまり、それに伴って腐敗臭いわゆる死臭も激しさを増してきます。
死臭は世界で一番の悪臭といわれています。特殊清掃はそんな悪臭が漂う中、消臭・脱臭の作業を行っていきます。
では一体どのようにして強烈な死臭を確実に消臭・脱臭していくのか、現役特殊清掃士がその方法と手順を公開してみようと思います。
特殊清掃を頼もうと検索している方や、これから特殊清掃士を目指そうと思っている方への参考になれば幸いです。
目次
●特殊清掃の死臭ってどんな臭い?
●特殊清掃における消臭・脱臭の方法
●特殊清掃の消臭・脱臭に掛かる掛かる費用
●「特殊清掃の消臭・脱臭方法を現役特殊清掃士が公開!」まとめ
特殊清掃の死臭ってどんな臭い?
まずは、特殊清掃における死臭とは一体どのような臭いなのかを書いてみようと思います。
実際に嗅いでみないことには分からないとは思いますが、現役の特殊清掃士の私の意見や、インターネット上での意見などをまとめます。
特殊清掃時の死臭の成分
死臭の成分は主にアンモニア・トリメチルアミン・インドール・スカトール・メンタチオール(メチルメルカプタン)・硫化水素・揮発性アミン・プトレシン・酪酸(ブタン酸)・吉草酸・カダベリン・プロピオン酸(脂肪酸)など、複数の悪臭成分が合わさっています。
耳慣れない言葉ですが、アンモニアはおしっこ、硫化水素やインドール、スカトールなどは大便、吉草酸の中のイソ吉草酸は足の裏の臭いの成分として有名ですね。
死臭の中で悪臭が高い成分は、カダベリン・プトレシン・酪酸・メンタチオールで腐敗臭の代表格です。
特にカダベリンとプトレシンという分子は、ほとんどの動物が逃げ出すほどの悪臭で
1885年にドイツ人医師ルードウィッヒ・ブリーガーによって初めて発見され、アミノ酸のリシンとメチオニンがそれぞれ分解するときに発生します。
特殊清掃の死臭の臭いを例えるなら
死臭は、くさやの干物やチーズ、生ゴミが腐ったニオイに近いと言われています。
他によくある意見が「べったら焼きとイカ焼きを腐らせた臭い」というのも有名です。
他の意見では、コーヒー牛乳、ヨーグルトが腐った臭い、オシッコを尿瓶に溜め込んで発酵させた臭い、などもありました。
水中で遺体が腐敗した場合はドブのヘドロのニオイ、冬場など中途半端に乾燥した場合はスルメのニオイ、ミイラ化しているの場合はかつお節に近いニオイがするとの意見もありました。
何かを腐らせた臭いが近いという意見が多かったので、やはり「腐敗臭」ということが分かるかと思います。
現役特殊清掃士の意見
現役で特殊清掃業務を行っている私の意見としては、上記であげた意見とほとんど変わらないです。
亡くなった方が菜食主義者だったのか、肉食主義者だったかなど、食べていたものによって臭いの違いはあるかと思いますが、ほとんどの場合同じような臭いがします。
もし、動物の死骸の臭いを嗅いだことのある方でしたら一番死臭に近いです。
私が以前働いていた会社の倉庫でたまにネコやネズミが死んでいたのですが、見つけられないような場所で死んでいた場合、腐食した臭いが漂ってきます。
はじめて特殊清掃の現場で死臭を嗅いだときに、「あの臭いだ!」とフラッシュバックするほど似ていました。
動物で一番人間の死臭に近いのは「ブタ」といわれています、ブタと人間は内臓の大きさなど組織学的に、あるいは生理学的に、似ているところがたくさんあるからだそうです。
特殊清掃における消臭・脱臭の方法
特殊清掃での死臭というものがどのようなものか、少しは分かっていただけたかと思います。
それでは今回のテーマである特殊清掃業の消臭・脱臭の方法を公開していきます。
特殊清掃での臭いの取り方に決まりはありません、様々な業者が独自の方法や薬品・機材を使い色々な方法で消臭・脱臭を行います。
特殊清掃は亡くなっていた場所など状況によって消臭・消毒の方法や、薬品・機材が変わってきます。
ここでは弊社が実際に特殊清掃で行っている消臭・脱臭の一例をご紹介したいと思います。
特殊な薬剤を噴霧し除菌・消臭
特殊と書きましたが、特殊というより企業秘密の薬剤を使います、これはどこの業者でも共通しますが使っている薬剤は、市販では売られていない強力な消臭・除菌専用の薬剤です。
どんな薬剤を使うか、またその薬剤によって消臭・除菌能力に差がでますし、弊社では薬剤に添加物を入れて性能を高めたりもしますので、公開はできないので「特殊」と書いたまでです。
この薬剤を通常の噴霧器より粒子を細かく出せるフォグマスターという専用の噴霧器で散布します。
粒子を細かくする理由は部屋の隅々まで薬剤を行き届かせ除菌・消臭させるためです。
だたしこの機材には弱点があって電源がないと稼動できません、特殊清掃の現場では電気が止まっているお宅もありますので、その場合は電池式や手動式のものを使い除菌・消臭していきます。
残置物の処分(遺品整理)
特殊清掃の消臭・脱臭において遺品が残っていると、遺品に臭いが付いてしまっているのでいくら消臭剤をかけても臭いが残ってしまいます。
特殊清掃+遺品整理となると高額になってしまうので申し訳ないのですが、弊社では完全な消臭・脱臭をするため依頼者様にお願いしております。
費用面で難しいといわれた場合は、臭いが残ってしまう旨をお伝えし、了承の上で特殊清掃に取り掛かります。
床・壁・天井などの特殊清掃
空間消臭・除菌の次は、亡くなっていた場所の清掃および、壁や天井の特殊清掃をおこないます。
亡くなっていた場所には血液・体液、髪の毛や皮膚がへばりついています、これらはタンパク質が主成分なので、タンパク質を溶かして浮かせてくれる特殊な薬品を噴霧します。
そしてブラシなどを使いさらに浮かせ、ウエスなどでふき取ります、この作業を綺麗になるまで何度も繰り返します。
血液・体液が除去できたら、お部屋全体の床と壁、さらに天井まで薬品を染みこませたウエスやぞうきんで拭き掃除します。
床と壁、天井にも目に見えない血液や体液が飛んでしまっているためです、ピンポイントの場所だけ清掃しても完全な消臭・脱臭はできないのできちんとした業者を選びましょう。
最後に水拭きして特殊清掃は完了です。
壁紙やフローリングを剥がして特殊清掃
腐敗が進んでいて、壁紙の下地まで臭いが付いている場合や、体液が床下まで染み出しているような場合は、表面の清掃だけでは消臭・脱臭ができないので
壁紙を撤去して下地を清掃、フローリングを撤去して床下の清掃をすることもよくあります。
臭いがかなりきつい場合は、専用の塗料を塗って匂いを封じ込める「コーティング消臭」作業をすることもあります。
さらに壁の下地は石膏ボードがよく使われ、石膏ボードは臭いが染み込みやすいため、リフォームで取り替えます。
フローリングもめくってしまうと、元に戻すためにはリフォームが必要なので、特殊清掃に掛かる費用がグンと上がってしまいますが、完全消臭・脱臭のためにお願いしております。
弊社ではお客様に現場の状況をきちんと説明し、お客様の判断でリフォームをするかしないか決めてもらっています。
すると決まれば専門の技術者にきちんと施工させ、新築レベルまで綺麗に致しますのでお任せ下さい。
特殊清掃が終わり臭いが残っている場合で、リフォームをする場合もありますのでケースバイケースで対応致します。
再び除菌・消臭
作業工程は一番最初に書いた薬剤を噴霧し除菌・消臭と同じ手順です。
特殊清掃で使う薬剤は高価なので、一度の噴霧で終わる業者も多いですが、弊社では、完全な除菌・消臭・脱臭をめざしているので再び噴霧します。
一度目とは違う薬剤を使用しますが、企業秘密なので申し訳ありませんが公開できません。
高濃度オゾン脱臭
消臭・脱臭剤を噴霧し臭いがなくなれば作業は終了ですが、臭いが取れない場合はオゾン脱臭機を使用し消臭・脱臭させます。
<オゾン脱臭とは>
オゾンは、3つの酸素原子からなる酸素の同素体で、分子式は「O3」です。
オゾンはきわめて不安定で反応性が高いため、様々な物質と反応して、もとの酸素(O₂)に戻ろうとします。
このメカニズムを利用して、ニオイのもとになっている物質や、人にとって有害な菌などとくっついて分解するのがオゾンの特性です。
分解したあとオゾンは酸素に戻り完全無害化されるため、薬品を使用しての消臭・脱臭、殺菌・消毒と比べ圧倒的に効果があり、消臭・脱臭や殺菌・除菌が必要な特殊清掃現場では高濃度のオゾンを使用します。
<オゾンの毒性>
人がオゾン含有空気を吸引すると、鼻腔・喉・気管・肺などの表面が酸化され、臭気・刺激・咳・頭痛・眠気・胸部圧迫感などの症状が現れ、一定以上の濃度(5~10ppm)での曝露(吸引)が続くと肺水腫を招き、更に生命の危険を招きます。オゾンの発ガン性は確認されておりません。
特殊清掃現場の消臭・脱臭には高濃度のオゾンを扱うので、取り扱いには注意が必要ですが、先程も書いた通りオゾンは酸素に変化するのでオゾン脱臭機使用後でも換気さえ行えば問題ありません。
特殊清掃の消臭・脱臭に掛かる費用
特殊清掃における消臭・脱臭の方法が一通り分かっていただけたかと思います。
では、この特殊清掃で行う消臭・脱臭に必要な費用はどれくらい必要なのかをお伝えしようと思います。
業者や消臭・脱臭の方法によって料金相場は変動しますが、一般的な金額を参考にします。
下記には一般的な特殊清掃の料金目安を記載しています。
項目ごとに料金を書いている業者や、パック料金などを設定している特殊清掃業者もあります。
腐敗がかなり進んでしまっている状況や、特殊清掃を必要とする面積が広いと、それだけ特殊清掃が必要になるため、料金が高くなっていきます。
なのでほとんどの業者が「〜」と表記しています、後々高額な請求をされないように、実際の現場の状況を確認してもらい、きちんと見積もりを出してもらいましょう。
また、リフォームや解体の必要がある場合には、どこまでリフォームや解体をするかによって料金が大きく変動します。
この一覧表には書いていませんが、特殊清掃業者に聞いて料金の目安や正確な見積もりをもらうようにしましょう。
特殊清掃の料金の相場
特殊清掃はなぜ高額なのか?
特殊清掃は普通のハウスクリーニングより費用が高額になってしまいます、いくつかその理由がありますのでお伝えしようと思います。
<人件費>
特殊清掃はその作業内容から安い給料ではなかなか人が集まらないので、他の職種に比べ高めの給料体系となっています。
このため人件費がかさんでしまうので、料金相場に反映されてしまいます。
<汚染物の処理費>
血液や体液のついた布団やベッド、家具などの処分は廃棄物処理業者から敬遠され処理費用が一般の廃棄物よりも高めに設定されています。
この処理費用も特殊清掃の料金相場に反映されてしまいます。
<高価な薬品や機材>
特殊清掃で使用する薬品は一般的な消臭剤・除菌剤と比べ非常に優れているのですが、製造量が少ないので一般的な消臭剤や消毒剤よりも単価がかなり高額です。
また消臭・消毒に使用するマイクロ噴霧器やオゾン発生器などは、海外で製造されていることも多く非常に高価なものです。
大量に消費する消臭剤や消毒剤と、数十万円から百万円を超えるような機材を使用するために料金が高くなってしまいます。
<道具は全て使い捨て>
特殊清掃では使用するブラシやモップ・スクレイパーなどの道具や手袋、防護服、シューズカバーなどの衣類も基本的に全て使い捨てです。
高価な機材などは消毒し再び使いますが、ブラシなどは消毒をする消毒剤の方が高価なので、感染症予防のためにも使い捨てなくてはなりません。
このためどうしても特殊清掃の料金は高くなってしまいます。
特殊清掃業者の賢い選び方
特殊清掃は感染症のリスクや悪臭の中での作業のため、専門の業者に依頼して行ってもらう必要があります。
しかし、安易に特殊清掃業者を選ぶと、後になって後悔してしまうことも考えられます。
では、実際によくある問題と、後々後悔しない為の賢い業者選びをお伝えします。
特殊清掃でのトラブル
<臭いが取れていないケース>
臭いが取れないという問題は、特殊清掃の専門的な技術がない業者に依頼してしまった場合に起こってしまいます。
また、あまりにも料金を安くしてもらうと価格交渉をしすぎた結果、手を抜いた特殊清掃作業になってしまい、臭いが取れなかったということもあります。
元々、安い料金を設定している業者も、手抜きありきで作業するので注意が必要です。
特殊清掃は依頼者さまが立ち会うということは、めったに御座いませんのでいくらでもごまかせます、作業中の写真など撮ってもらうとより安心かと思います。
<不当な請求をされたケース>
特殊清掃の場合、基本的に高額な費用が必要になってきます。
そのため、安い特殊清掃業者に目がいってしまいますが、一度考え直して下さい。
不当な請求をされたケースのほとんどでは、最初に安い金額を提示しておいて、作業が終わってから「予想以上に損傷していた」「予想以上に薬品が必要だった」などと理由をつけて請求金額を要求していきます。
また、依頼していないのに勝手に「床を剥がしていたり」、勝手に「壁紙を剥がしたり」して、その分の費用を上乗せしてくる悪徳業者も存在します。
特殊清掃業の選び方
特殊清掃をしても消臭・脱臭が出来ていない、不当な請求されたなどのトラブルに巻き込まれないようにする為には、きちんとした特殊清掃業者を選ぶ必要があります。
ここでは、優良な特殊清掃業者を見極めるポイントを書いてみようと思いますので参考にして下さい。
<対応の良い特殊清掃業者を選ぶ>
特殊清掃業者選びで大切なポイントは、対応の良い業者に依頼することです。
特殊清掃はその仕事内容ゆえ一般顧客からのリピーターはほとんどありません、初めて話す人への電話対応や、下見や見積もりの際の言動をしっかりと確認してください。
普段の言動がいいかげんだったり身だしなみが悪い業者は、特殊清掃作業もいいかげんな業者が多いです。
<ホームページをしっかりと確認する>
特殊清掃業者を探している人のほとんどが、インターネットで検索しホームページや広告を見ていることでしょう。
特殊清掃業者も必ずと言っていいほど自社のホームページを持っています。
ホームページには料金の詳細、自社の強みやサービス内容、消臭・脱臭・除菌などの技術面を解説しているページがあったり、過去の作業事例も載せていたりします。
それらのページをチェックし、きちんと作り込まれている業者は、しっかりとお客様に説明している姿勢を持っている業者といえるので優良な業者が多いです。
料金の目安などが無く、「詳細はお電話で」のようなホームページは怪しい業者の可能性があるので、選ばないほうが無難でしょう。
<特殊清掃専門でない業者は黄色信号>
遺品整理や生前整理も平行して行う業者がほとんどで、特殊清掃のみ専門で行っている業者は現状として少ないです。
特殊清掃と遺品整理・生前整理のどの作業もきちんとこなす業者も多いのですが、中には遺品整理がメインで特殊清掃はそこまで専門ではない業者もございます。
そういった業者は特殊清掃に関する知識や技術が未熟で、完全な消臭・脱臭ができないことがあるので黄色信号です。
また、依頼が来ると提携している他の業者に「丸投げ」することもあります。
そうなると仲介料金が依頼者さまの知らないところで発生し、費用が高額になってしまうこともよくあります。
特殊清掃が専門ではない業者は、ホームページの特殊清掃に関するページが少なかったり、事例が載っていないことが多いので見極めるポイントだと思います。
また元々リサイクルショップや引越し屋、不動産業者が、業務拡大のため会社を作っていることもあります。
そのような業者は特殊清掃の技術を持ってない可能性がありますので、会社概要などをチェックするのもよいかと思います。
「特殊清掃の消臭・脱臭方法を現役特殊清掃士が公開!」まとめ
今回は、実際に特殊清掃の現場で行われている消臭・脱臭に関する方法を公開いたしました。
特殊清掃に掛かる費用や特殊清掃業者の選び方についても触れました。
特殊清掃で消臭・脱臭の必要がある場合には、ぜひここでの知識を参考にしてみて下さい。
大阪周辺で特殊清掃や遺品整理、生前整理、不用品回収の業者をお探しならアスエルまでご連絡下さい。
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